2020-01-01から1年間の記事一覧

『日本語の意味の解』”第6回 ”空海が唱えた三密の「心・口・意」の洞察”

思考と着想 4-1 規則から法則へ 科学においても、産業においても、言葉の学問においても保守化と言うマンネリが始まると、やがてその世界は衰微へ向かい始める。この停滞を防ぐには頭の切り替えが必要となる。 思考方法の何処をどの様に切り変えるのか。視点…

『日本語の意味の解』”意味の解析とは”

パラドックス 3-1 ソライティーズ・パラドックス パラドックスとは、正当な推論方式に基づいていながら、一般に認められている結論とは反対の結論に至るような、自己矛盾がでてしまう論述を言う。 この自己矛盾露呈説明を利用して、論敵の矛盾を暴き出すとい…

第5回 ブログ版『日本語の意味の解』”同音異義語の鏡と屈み」

『和語』の本質 さてここから、和語の核心部分に入る。 『和語』の意味の最小単位(日本語における形態素)は「一音節の音韻」=「形態素=素語」であり、そこに言葉の遺伝子情報が書き込まれている、などと言ったら人々はきっと驚くに違いない。 それはちょ…

野村玄良・第4回 『日本語の意味の解』”日本語の解剖の仕方』”

日 本 語 の 意 味 の 構 造 野 村 玄 良 序 章 意味の解析 本書は、日本民族固有の和語の意味構造が、どの様に成り立っているのかを、新手法を用いて多面的に考察を加え、その意味的世界の実態を系統的に解き明かそうとするものである。 これまで、どの辞書…

野村玄良・ささ玄・第3回 ブログ版『日本語の意味の解』”狩人が創った日本語”

◆狩人が作ったロジカルな日本語 日本語は神様が造ったのではなく、一人の超越的な能力を持つ狩人が創ったのである。「何・なに」とは「ナ・柔らかな」+「ニ・土」で、土に付けられた獣の足跡を観察する「好奇・疑問」のコトバであり、「知る・しる」は、「…

野村玄良・ささ玄の ハテナぶろぐ 『日本語の意味の解』第②回 第1章・ロゴスの探求「さをとめ」とは何か。

第1章 和語の意味の構造 この歌は【万葉集・1429・春の雑歌】若宮年魚麻呂の歌である。 乙女らが かざしのために みやびをの かづらのためと しきませる 国のはたてに 咲きにける 桜の花の にほひはも あなに。【万葉集・1429】 「をとめ」等の簪(…

野村玄良・ささ玄のブログ版『日本語の意味の解』・第①回 電子本の公開 はじめに

『日本語の意味の解』 まえがき 西欧の心身二元論においては、思考やカテゴリー化などの概念形成は心のみが行い、「身体」はそれに従属する低いレベルの価値しか与えられてはいなかった。しかしながら思考や概念形成に働く身体の重要性が認識されて以来、心…

野村玄良のㇵテブログ: ①「うきゆひ」と「きづな」

幸福を求めるのは、現在自分が不幸だからである。 幸福とは「満足」を知ることであり、その真逆の「不足」を見つけ出すのが人間の「不幸な性(さが)」である。 幸福への要求は、一つの本能である。この人間の普遍的な願望は、功利主義を生み出し、唯物論に…