『野村玄良の宇宙哲学』 ◆エイリアン(地球外生命体)との会話 考

                         

 

 エイリアンと会話するためのシステム思考  

 

最近、アメリカなどで公的に、宇宙船の話が話題になっているが、今さらの感がある。

しかし、筆者はもうすでに宇宙の彼方から飛来してき宇宙船と、高校3年生の時に遭遇して居る。筆者は、この目ではっきりと、巨大な宇宙船を安城市の今村駅近くの道路で間近に2分間ほど、じっくり観察している。このことは他ブログで数年前に発表済であり、逼近の出来事ではない。

 人間が居住可能な系外惑星「GJ237b」は、地球から12光年先に在るという。

ノルウェーのトロムソにあるレーダー施設から、2018年5月に、この系外惑星に向けて、3日間にわたって“メッセージ”が送られたという。この惑星に居るかもしれないエイリアンが受け取ることを期待して送られたのは、いくつかの短い歌とコンテンツ解読のための手引きであったという。

 このメッセージを2回も発信したのは、ノールウエーの非営利団体の【METIインターナショナル:経済と産業にかかわる国際組織(英: Ministry of Economy, Trade and Industry、略称: METI)】であった。

この2回の発信は1999年と2003年で、どちらも「エイリアンのための音楽レッスン」と謳われて居るが、3回目は、かなりの違いがあった。それは物理学者のイヴァン・デュティルとステファン・デュマが、1990年代後半に開発した「地球外言語」を使用して発信されたからである。この特製の「地球外言語システム」は、地球外生命体に対し、最初に「数」について説明したのち、より複雑な「ヒトの生物学的特徴」や「太陽系の惑星の構成」などを説明したものであった。

この地球外言語の初期ヴァージョンは、「コズミックコール」で、本格的な星間コミュニケーションの試みだった。その内容はクラウドソーシングによって決定されている。メッセージは、数学で始まって、地球外知的生命体に公的にメッセージを送るこれまでの試みでは、基本的に同じアプローチが採用されてきた。

しかし 果たして、意味を定義できない数学が、意味を伝える手段となり得るのであろうか、この手法ははなはだ疑問と言わざるを得ない。

◆「人間とは何か」の定義をいかにして行うのか。これが最初に立ちはだかるエイリアンとの「意思疎通の壁」である。「意味とは何か」の定義が最初に求められるのだが、意義素とは何かという「定義の定義」がその前提に求められることを知らねばならない。つまり「意義の正体」を明確にしなければならないのだ。意義と意味は階層が異なる。

 オランダの数学者ハンス・フロイデンタールは1960年、世界初の星間コミュニケーションシステムとして宇宙言語「Lincos」を生み出し、その後のすべての試みの礎を築いたといわれているのだが、その中身は信頼に堪えうるものなのか疑問だ。

 

言語の成立原理と意味の証明

 「いぬ・犬」とは何か。犬の定義が求められる。宇宙語で「いぬ」をどのように説明するのか。スピッツブルドッグは犬に分類されているが、「狼・おおかみ」は犬の範疇に入れない。なぜ「おおかみ」というのか。

◆なぜ「いぬ」と言い「おおかみ」と分別していうのか。日本語を使用する日本人は、日本語で「犬と狼の言葉の成立理由を明確に、定義の根拠の証明」を論理的に説明できなければならない。それは普遍的な公理によって導き出された「定理」でなければならない。これが論理学の絶対理念だ。

だから言語と言う「認識記号」そのものに対する人間の理解が最初に求められるのだ。

エイリアンは、光のバラードで深海のクラゲが発するパルス信号に近似の、多様なカラーパルスを宇宙船の表面に流れるように発射させて信号を送りつけてくる。私が見た光の帯パルスは宇宙人の思考の信号ではなかったかと考えて居る。音声を信号手段とはしていないのではないかと考えている。

さてさて、光信号となると、これは一筋縄では解けない世界である。深海のクラゲから海中生物の信号を解析しなければならなくなるだろう。さあ、皆で海に潜ろうではないか。

◆言語の「解」とは          

人間が開発した言語を、その開発の手順によってしか「解」は得られない。これが宇宙言語開発の基本条件であると断言できる。「人間」とは「言語を持っている生命体で、生存の手段と条件を意味し、「間」を埋めて機能する社会構造体こそが「言語」なのだ。人間の生活空域は常に集団による共生社会である。この人脈成立の根拠説明が最初に求められるのは当然である。人間は男女の性の営みによってのみこの世に出現するという「初出」の「いとなみ」の説明が必要となる。それを言語記号で「暗号化」する必要がある。

この理解は難しいだろう。しかしこれがだめならば、エイリアンとは情報のやり取りが不能のままに終わるのだ。

一体、発信者の研究者たちは言語をどのように理解していたのであろうか。意味の定義の思考がはたして出来たのであろうか、はなはだ疑問と言わざるを得ない。何故ならば、数学と言語に対する「存在の成立原理」という基本認識が不能となって居るからである。数学は言語ではないことを理解できないレベルにあるからだ。

  • 筆者体験

◆YFOの機体の表面に明滅し変化を遂げる鮮やかな光の帯の美しい信号は、あたかも私に話しかけてくるような優しさがあった。始めはその光の波動は、近寄りがたい崇高で神聖な超越的存在を思わせるものであったが、やがてその波動の中に、故人となった祖母の柔和な面影が現れて、激しい感動がこみあげて涙が溢れて止まらなかった。一体この遭遇は何であったのか。私は遠い過去の体験を今振り返ってその異常であり得ない天体の遭遇に、改めて身震いがするのである。

 私のこの体験から得た「明滅のリズム」の 色彩電光は、宇宙からの暗号信号であったのかもしれたい。糖の連鎖構造(糖鎖)=細胞の表面を覆う信号パルス(宇宙言語)に准らえることが出来るのかもしれない。

◆どの言語体系も、究極的にはひとつの、しかし途方もなく複雑な問題を解く試みだ。わたしたちとは別の知的生命体と、どうすればコミュニケーションをとれるだろう? しかも、その相手について何ひとつ知らない状態でだ。

この問いは、知性そのものの本質にかかわる。ヒトは地球上で唯一、高度な数学的能力と発達した言語能力を備えた種だ。しかしこの両者は、高度な知性が必然的に備えるものなのだろうか。それとも、ヒトに固有の特徴なのだろうか。知性の要素のなかに、真に普遍的なものはあるのだろうか。

                                   終わり

                  それではまた!

 

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 【※『WIRED』US版記者のダニエル・オバーハウス著『Extraterrestrial Languages(地球外生命体の言語)』から】抜粋したものを下記に転記しました。

 

                    記

 

 科学者や数学者は、何世紀にもわたってこうした問いに取り組んできた。ノーベル物理学賞を受賞したユージーン・ウィグナーはかつて、数学は「理不尽なほど有効に」自然界を記述すると語っている。これを受けて多くの数学者たちは、数学は現実世界に織り込まれていると結論づけた。この観点からすると、数学はヒトの頭脳が生み出すものというよりは、ヒトが世界から“発見”するものである。

人工知能と地球外生命体探索の共通点

ほとんどの星間コミュニケーションシステムも、この結論にしたがって設計されてきた。目標は、地球外生命体に足し算や引き算を教えることではない。メッセージを受け取るための望遠鏡をつくれるのなら、それくらいは知っているはずだ。

そうではなく、こうした言語体系は“わたしたち”が数をシンボルとしてコード化する方法を、地球外生命体に教えるのだ。それが、もっと複雑な考えを組み立てる基礎になる。

難しい問題へのエレガントな解決策だ。しかし、これはフロイデンタールも認めていたことだが、Lincosは地球外生命体が「ヒトに似た心的状態」を備えていることを前提としている。もし地球外生命体がヒトと同じように思考するとして、そのエイリアンはヒトに似た言語体系ももつものだろうか?

人工知能のパイオニアであるマーヴィン・ミンスキージョン・マッカーシーは、星間コミュニケーションに興味をもちはじめたとき、そんな疑問を出発点にした。ミンスキーとマッカーシーは、地球外知的生命体の探索に情熱を燃やすなかで、人工知能開発との多くの共通点に気づいた。

ミンスキーが繰り返してきた主張によれば、地球外知的生命体は言語をもつ可能性が高い。なぜなら言語は、あらゆる知的な種が直面する数々の本質的課題、すなわち「時間・エネルギー・資源の制約」に対処するうえで、理想的な解決策だからだ。

掘り下げて考えてみよう。地球外生命体の言語は、わたしたちの言語に似ているだろうか? 問題は、言語学者ノーム・チョムスキーが提唱した「普遍文法」に従うか、ということだ。つまり、すべてのヒト言語に共通する、階層性と再帰性という深部構造を備えているかどうかだ。

自然言語の共通特性はニューロンエンコードされている?

しばしば言語は、ヒトの脳というハードウェア上で動作するソフトウェアにたとえられる。しかし、最新の神経言語学研究によれば、言語や普遍文法は、むしろハードウェア自体が表出されたものだ。

複数の脳イメージング研究から、ヒト言語の深層構造は、わたしたちの神経活動を表すことがわかっている。実験参加者に対して、人工言語か本物の言語用の偽のルールを学習させると、脳は本物の言語を使うときと違う反応を示すのだ(これは参加者がその言語になじみがあるかどうかには関係ない)。

こうした知見から、自然言語の共通特性は、ニューロンの接続の仕方にエンコードされている可能性が示唆されている。ヒトの言語能力は、脳の構造と分かちがたく結びついているかもしれない。そして、もし地球外生命体の言語がわたしたちの言語と似ているとしたら、そこには機能的に同等な神経生物学的基盤があるのかもしれない。

「エイリアンがヒトと同じように思考して言語を操る」ならともかく、「エイリアンはヒトに似た脳をもつ」とまで主張するのは、信じがたく思われるかもしれない。だがこうした主張も、突飛なものではない可能性があるのだ。

地球に似た星に住む生物は、言語をもつ可能性が高い

そもそも生物は物理法則に縛られており、それが進化の道筋を制約する。宇宙生物学者のチャールズ・コケルは、近著『The Equations of Life(生命の等式)』でこうした主張を展開した。同書のなかで彼は、地球上の生物が細胞で構成され、同じ4種類のヌクレオチドを起源とする事実から、眼や翼といった構造に至るまで、種を問わず驚異的な類似性をもつと指摘する。

進化が決定論的だというわけではない(小惑星衝突や遺伝子の変異といったランダムなできごとも確かに起こりはするだろう)。しかし、「進化の最終産物」の多様性には限りがある、というのが彼の主張だ。別の言い方をすれば、「意識や知性をもつ氷の塊」が棲む惑星は見つかりそうにない、ということである。

地球外生命体がいる惑星の環境は、地球とはまったく違っている可能性が高く、そこにいる生物種はその環境に適応しているだろう。それでも、系外惑星における生物の進化も、同じ物理法則に縛られているはずだ。

つまり地球外生命体も、時間・エネルギー・資源という本質的制約に直面している。だから地球外生命体も進化を通じて、共通の問題に対して似たような解にたどり着いているかもしれない。階層的で再帰的な言語を操る脳は、その一例だ。

だとしたら、エイリアンに大量の情報を伝える最良の方法は、苦労してゼロから人工言語をつくることではなく、例えば百科事典のような、膨大な自然言語の資料文書を送りつけることなのかもしれない。

星間対話は「ハロー」から?

地球のわたしたちは、こうした方法で自然言語アルゴリズムに学習させ、大量の文書の統計分析によって、ヒトの言語の規則性を導出させている。もし地球外知的生命体が独自のAIを開発していたら、それを使って自然言語メッセージの構造を解読できる可能性はある。

もちろん、地球上の自然言語処理アルゴリズムは、分析した文書の意味を本当に理解しているわけではなく、盲目的に記号を操作しているだけだ。そしてエイリアンは、ヒト言語の記号を自身の意味体系と結びつけるために、ある種の地球外言語を必要とする可能性はある。

それでも星間対話を始めるいちばんの方法は、ただ「ハロー」と声をかけることなのかもしれない。地球上でそうであるように。

                         抜粋はここまで

 

◆この意見に、いくつかの異論があります。ご意見をいただければ幸いです。それではよろしくお願いいたします。

              野村玄良

 

 

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